大変そうな人生

中上健次のどの作品が好き? - 村上さんのところ/村上春樹 期間限定公式サイト

中上健次の作品は父の書棚にありました。少し読んでみたのですがとっつきにくく、結局最後まで読むことが出来ませんでした。出自や作家になるまでのいきさつ、活動状況などは存じております。なかなか大変な人生だっただろうと思われます。

父の書棚には津本陽、司馬遼太郎、吉川英治、藤沢周平、海音寺潮五郎などの著作は殆ど揃っていました。空海の風景という本については、難しかった。と率直な感想を述べていました。本来浄土真宗お東さんの宗教です。いろいろと地元の事を理解しようと努めたのでしょう。エンジニアの父の書棚の本を読みこなせた事がありません。歴史小説以外の小説は読みません。私が読めたのは古い単行本の吉行淳之助の砂の上の植物群ぐらいでしょう。私はアートの領域にあるようなものだと思って本を読みますので、そういう面からも頭の中が違うと思いました。それでも短い話は何冊か読みましたが。でも中上健次の小説はあった。いろいろと考えていたのでしょう。そしていつも私にプラスワンが大切だと言っていました。これは何となくわかります。今私が確かめたがっていることと似ているのかも知れません。やはり父は私にとってとても良いおとうさんだったと思います。幼稚園の頃、父が購読していた文芸春秋の雑誌のバックナンバーで友達のみきちゃんと病院ごっこの為の砂を粉薬に見立てたものの包み紙としてところどころのページを破り取って使っていました。父は怒りませんでした。懐かしい思い出です。

ただ、NHKの大河ドラマなどを家族で見ていると、チラ見してけちをつけて去っていくのが難でした。脚色されて面白くなかったのでしょうね。

書店に行っても奥の倉庫まで連れていってもらい、本を選んでいました。読書に関する教育は両親とも熱心でした。良い思い出です。