さぼるぐらいなら早く切り上げたい

仕事をサボって喫茶店でボーっと - 村上さんのところ/村上春樹 期間限定公式サイト

あははは、昔の同僚を思い出しました。

日本人の中でも真面目な方の私は、さぼることを同僚から教わりました。無意味にゆっくりするのです。社用で銀座から青山まで、銀座線の車内灯が停車駅に近づくと一瞬消える頃の、車体が真っ黄色の頃の話です。

田舎から出てきた私は都内西部のその子に冷笑されながらも行動を共にしておりましたが、一瞬車内灯が消える瞬間その同僚が大変驚いた事を覚えています。銀座線は初めてなのだなあと思いました。それだけ冷笑をあからさまに表現するんで内心むかつくのですが、もともと性格が良くない(何をもって良い悪いというのかは不明)らしく占い師にも言われていました。そんなのはどうでもいいんですが、(まだ20歳の感受性が柔らかい頃で良かったと思います)社用の帰りに無意味に喫茶店に寄ろうと誘い、そしてコーヒーなどを頼んで20分ぐらいぼーっとしている。早く帰った方がいいんじゃないかと(見てないようで人は見ている)思いましたが。私はそういう事はあまりしません。本当にゆっくりできないからです。

話は現代に戻り、こっちで一緒に働いた日本人以外の人はさぼるのが上手です。

前働いていたところで机を向い合せにしていた人は、ボスが居ない時なんかはランチに行って2時間戻ってきません。可愛い妻がいるようで、しょっちゅう電話がかかって、その人は電話を取る時に妻の名前を呼ぶんです。

ある時などは(聴きたくなくても目の前で会話するので自然に耳に入る)夜かランチ(家も近い)のメニューを聞かれたのか、スパイシーチキン。と答えていました。可愛い妻という感じだろうと想像できます。もう一人の同僚もボスがいないと5時10分前でもバスの時間が一本早いから、と言い訳しながら去って行きました。人ってだいたいにじみ出ているものがあるからおそらく使う側も見抜いていると思うんだけど。人はさぼりたがるもんです。私だって疲れていたり気分が乗らない時には単純な事からやったり、頭がさえている時間帯に難しい事をしたり調節します。疲れて居る時に難しい事をせざるを得ないという状況なのですが。