相手に覚(さと)られないように見る方法
背中に目をつけている人、千里眼の人を知っている。後ろを向いて観察したり、カウンターで仕事をしながら遠くに離れた客が置いたチップの額までさりげなく見る技を持っている。顔もむけず、凝視もしない。わたしには到底出来ない技だ。
逆に見てないのに見られた、と言われてしまう事は多いがたぶんこれはくせなのだろう。観察しているわけではないけど、ひょっとすると相手の反応を声掛けせずに待っているのかもしれない。無意識に。不愉快だったのなら失礼いたしました、と詫びておこう。悪気は無いのだけど。どれだけ自分の存在が他人に立ち入ることを恐れているのかな。なんでこんなに控えめすぎるのだろう。まだ幽霊でもないのに。
背中で人を観察するにはどのようなテクニックがあるのだろうか。鏡を持っていて映すのならバレバレだがそうではない。気配で察知するとしても細かい動作は見られないだろう。
私がされたので良くわかるのだ。